サイチ工業株式会社は、地元大津の地場産業である手漉き和紙製造を祖業とし、明治40年に創業しました。当時、当社の和紙は京都西陣織で使用される金銀糸の台紙に用いられておりました。その後、時代が昭和に移り変わっていく中で、金銀糸の製造を手がけるようになります。
当社に転機が訪れたのは昭和45年頃です。金銀糸の製造を目的に導入した真空蒸着装置に新たな活路を見出し、アルミ蒸着フィルムの製造をスタートさせます。光や湿気、酸素を通さない蒸着フィルムは内包物の劣化を防げるとあって、食品包装に用いられるようになりました。この技術により当社の事業領域は一気に拡大し、マーケットは全国に広がっていきました。
そして現在では、戦前から続けている金銀糸や食品包装をはじめとして、生活一般雑貨に使用される蒸着フィルム、スマートフォンやタブレットに用いられる電子機器材料としての蒸着フィルムなど、さまざまな産業界に製品を供給しています。このように幅広い用途に対応できる技術を有していることが当社の強みです。
今後も100年以上にわたって培ってきた業界屈指とも言える技術にさらなる磨きをかけ、地元の伝統産業の金銀糸を守り続けていくとともに、時代の変化や多様化するニーズに応じた製品を開発していきます。そして、創業の地である大津から、世界に目を向けて事業を展開していきたいと考えています。サイチ工業のこれからの活躍に是非ともご期待ください。