お客様のニーズに合わせた加工で
フィルムに付加価値を与えます

サイチ工業株式会社が強みとするのは、世界トップクラスを誇る真空蒸着技術です。聞き覚えのない技術かもしれませんが、この技術から生み出される蒸着フィルムは、皆さんの身近にあるアイテムに使用されています。たとえばポテトチップスの袋の内側。あの銀色のフィルムこそ、まさしく蒸着フィルムです。詰め替え用シャンプーのパウチも同様に、袋の内側に当社のフィルムが使われています。そのほか直接見ることはできませんが、当社のフィルムは、液晶ディスプレイやスマートフォンなどに使われる部品の一部に組み込まれるなどして、普段お使いになられている電子機器に採用されています。実は皆さんの生活と密接に関わりを持っている会社だということが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

サイチ工業の薄膜作製技術
「真空蒸着」とは?

「真空蒸着」技術とは、真空状態の空間で金属や化合物を加熱し気体化させ、気体化した粒子がプラスチックフィルムや布などの基材(薄膜を付けたい材料)表面で冷却され固体化することで、薄い膜を作製する技術です。イメージとしては、お湯を沸かしているお鍋に蓋をすると、蓋の内側に水滴がつく現象と同じです。この蒸着技術により作られた膜の厚みは、数十nm(10-9m=0.000001㎜)。一般な紙の厚み0.09㎜であることから、大変薄い膜が想像できますでしょうか。また、蒸着を行う対象(基材)は、プラスチックフィルムや布などですが、注目すべきはその長さ。数千m、時には数万mの長さを持つキッチンペーパーのようにロール状に巻かれた基材を、加工では使用します。そのようなロールを真空蒸着装置の内部にセットし、蒸着を行う技術を「ロールtoロール式真空蒸着」といい、サイチ工業の蒸着装置は全てこの方式の機械を採用しています。

スリット加工
(スリッター)とは?

スリット加工とは、蒸着加工やウェットコート加工を行ったロール状基材を、お客様の要望に合わせた長さや幅に仕上げる加工です。スリット加工を行う機台には、欠点検査装置が装備されており、加工中に人の目では捉えられないほど小さな欠点、異常箇所を検知できる仕組みができております。これにより、お客様に満足いただける製品を出荷できる体制となっています。

コーティングとは?

コーティングと一口に言っても様々な種類がありますが、サイチ工業では、ウェットコート加工も実施しています。(ちなみに、蒸着はドライコートの一つです。)
ウェットコートは、水やアルコール、有機溶剤に合成樹脂を溶かしこんだ溶液を基材上に塗工し、乾燥させることで合成樹脂の層を形成する技術です。色を持つ合成樹脂の層を作ることにより、基材上に色を付けたり、硬い合成樹脂層を作ることで、蒸着膜や基材表面の保護をしたりすることが可能となります。また、蒸着技術と組み合わせることにより、生活雑貨品から電子部品まで様々なものへの展開が可能となります。こちらも蒸着装置と同様にロール状基材への加工を行います。